権利義務に関する書類の作成業務

行政書士の法定独占業務の二つ目は「権利義務に関する書類の作成」です。

 

権利義務に関する書類」とはどのようなものでしょう?

ちょっと分かりにくいですね。

丁寧に言うと、「権利の発生・存続・変更・消滅の効果を生じさせることを目的とする意思表示を内容とする書類」です。

いよいよ分かりにくい・・・。

 

具体的には、各種契約書や賃貸借契約書・会社の定款などです。

この業務は「官公署に提出する書類」より身近にある書類の作成ですね。

この独占業務規定にも、もちろん他士業法での制限があります(行政書士法第1条の2第2項)。

 

この「権利義務に関する書類」の中でも「契約その他に関する書類」については書類作成のみならず、代理人として意思表示の代理が出来る旨規定されています(行政書士法第1条の3第1項3号)。

効率がいいですね。

 

例えばこういうことです。

お客様から不動産の売買契約締結の委任を受けます。「法律に詳しそうだからお願いします」ということもあるでしょう。

売主か買主どちらでも構いませんが、相手と契約します。

「それでは、間違いがないように契約書を作成します。私は行政書士で契約書作成の依頼も受けていますので」となるのです。

契約の代理人でもあるので、その内容も間違いようがありません。

契約書締結から契約書作成までワンストップで完了するのです。

 

一点、注意することがあります。

「権利義務に関する書類」には遺産分割協議書や各種示談書も含まれます。

相続人や示談の当人が揉めていなければ、何の問題もありません。実際この場合がほとんどといっていいでしょう。

みなさんやっぱり進んで揉めたいと思っている人はいません。

ただ、話しをしているうちに揉め事に発展することもありますよね。

この場合、行政書士はこの紛争に関わったり、特定の当人に肩入れすることは出来ないのです。

これは弁護士法第72条に抵触し、罰則の対象となります。

 

この場合、行政書士は速やかに業務を終了し、その案件を弁護士の先生方に引き継ぐ形になります。

そういう意味では、「行政書士は中立・公平に業務を進めていける唯一の士業」であり、紛争を未然に防ぐ役目があると考えています。

 

 

 

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